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「いえいえ。確かに、あのサイの皮膚をも貫く強壮弾は少々入手が困難ですが、それほど凄いものではありません。むしろ貴方の部下の腕を誇って下さい。どんな弾丸であろうと、当らなければ意味はないのですから」
眼鏡を押し上げ謙遜する森野に、大沢は首を振る。
「ですが、あんたの知恵と、その機械がなけりゃ、こうもうまくはいかなかったでしょう。捕まえられて、尋問されるのを見越した上で、ブラフを吹き込んだ刺客を放つとは」
賞賛する大沢の眼は、興味深そうに森野の持つ機械に注がれる。
「これは、まだ極秘開発中のものでして。詳しい原理は言えませんが、大雑把に説明するなら、ある種の電磁波を彼等の脳に流し込んでやる事で、こちらの思うような幻覚、幻聴を相手に与える事が出来ます。他にも、一時的に五感を減退させる事も可能です。人間にも利きますので、この仕事が成功した暁には無料で進呈させて頂きますよ……もっとも、一度使うとすぐに壊れる欠陥品なので、改良の余地がまだまだあるんですがね」
それでか、とジェスは唇を噛んだ。中央にいた十人の男達は、あの機械によって見せられた幻覚だったのだ。
……そう言えば、マナ達が突入した時、敵の悲鳴、怒声は聞こえたものの、敵が使ったであろう銃声が聞こえなかった。消音器を取り付けていても、自分の鋭敏な聴覚に捉えられないのはおかしい。
(あの時感じた些細な違和感の正体は、これだったのか……!)
「で……俺からすれば、こいつ等は殺しても殺し足りねえ相手なんだが」