レースカーテン

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ブルガ

ブルガ

 雲間から顔を出した月から隠れるよう、麓にある一つの倉庫を囲むよう闇よりなお濃い漆黒のベンツが七台止まっている。倉庫の正面入り口前にはサングラスと黒のスーツで固めた男達が八名。手に無線機らしき物を持っている人物が、この場では一番偉いらしい。澄ませた耳は他に、倉庫から聞こえてくる声を捉えていた。

「……思ったよりも、警備が薄いですね」

「壊滅寸前だったらしいからな。そうそう数が揃わないんだろうよ」

 物影に隠れ、鼻を鳴らすフランクとマナの元に、音もたてずにジェスが戻ってきた。

「裏手は七名だ。どうやら見張りは、正面の八名と合わせて、これで全部らしい。中にも数名いるだろうが、車の数からして、どんなに多くても十名程度だろう」

 マナはしばし考え、ジェスに尋ねる。

「ジェスさん。裏の七人、お任せできます?」

「大丈夫だ。奇襲で三人は倒せる。これだけ広ければ、僕の機動力が最大限に発揮出来るからな。しかも、裏手には密林がある。木々を盾に使えるから、四人は大した数じゃない」

「あと……くれぐれも」

「わかっている、殺しはしないよ……手足の骨を折るくらいは、するかもしれないが」

 凄惨な笑みを閃かせたジェスの眼には、濃い怒りが浮かんでいる。

「では、時計を合わせましょう。一時ジャストに突入です。終わったら、携帯に連絡を」

「了解」

時計を合わせ、フランクから借りた携帯の電源が切れている事を確認すると、ジェスは再び音をたてずに、宵闇に紛れて動き出す。一時まで、あと五分。

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