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バブルズ77

バブルズ77

が、フランクの拳はそれよりも早く、相手のみぞおちに決まった。細心の注意を払って加減したが、鮮やかな曲線を描き、三メートルばかり彼は吹っ飛んだ。立ち上がる気配はない。当然かもしれないが、気絶したらしい。

 残る七名が、実に頼りない手付きで一斉に銃口を掲げた。消音器が取り付けられたそれはボフ、ボフと間抜けな音をたててフランクに襲い掛かる。彼は女性の腰ほどもある極太の腕を目元に交差させ、数少ない急所を庇う。が、その必要性は無かった。マナの力により平衡感覚が狂っていた彼等には、頭部はおろか、そもそもフランクに銃弾を当てる事も出来なかった。

 フランクはポケットから六個の軟式野球ボールを取り出すと、それをまとめて巨大な両手に持ち、

「ふぬあっ!」

気合い一発、不恰好なフォームで彼等に投げつけた。時速二百キロは軽く超えているであろう剛速球は、狙い違わず彼等の腹部に命中。三半規管が揺さ振られている事もあり、胃の中身を吐き出す者もいた。悶絶し、銃が手からこぼれ落ちると、フランクは彼等が動けない事を確認。まだ意識がある者には軽く腹部を叩き、気絶させてやる。

さらにフランクは落ちていた拳銃を一つ一つ握り潰し、鉄くずに変え、野球ボールを回収していく。

「マナ、終わったぞ。もう超音波はいらねえ……っと、オレもちょっとグラグラしてきたな。さすがに身体の器官までは、オレでも鍛えようがねえからな」

「フランクさん、大丈夫ですか?」

 多少よろめく足取りのフランクに、こちらも力を使って消耗しているのか、汗をかいているマナが駆け寄り、声をかける。

「ああ、これくらいならすぐに治るさ。それよか、ジェスはうまくやったか?」

 マナは携帯を取り出し、ジェスに電話をかける。自分達が終わっている頃には、向こうも終わっているはずだ。予想通り、ジェスはすぐに出た。

『終わったかい? こちらは万事順調だ』

「OKです。これから倉庫内に突入します」

『……疲れてはいないのかい、マナ? 本当に大丈夫か?』

 自分の声音から疲労を感じ取ったか、問うジェスは心配そうだ。

「大丈夫です。それより、時間を置くと向こうが気付くかもしれません」

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