バデイズ79
あちらではすでに交戦が始まっている。冷たいアスファルトを駆け抜け、ジェスは自分から見て右側に置かれたフォークリフトの手前まで進む。
言葉に出来ない違和感が、胸の奥に差し込む。何かがおかしい、だがその何かが言葉にして指摘出来ない。
そんな僅かな迷いが気配に出たか、叫びの聞こえた正面入り口に向かおうとしていた三名の黒スーツが、背後から奇襲をかけようとしたジェスの存在に気付いた。
懐に手を入れた瞬間、ジェスは一人のこめかみに腰を捻り、拳を直角に―ボクシングで言う所のフックを―ぶち当てていた。彼が銃を取り落とすのも確認せず、二人目の男にみぞおちに一撃を叩き込む。三人目がようやく銃口を掲げた時には、ジェスは回し蹴りを相手の側頭部に見舞っていた。
積み上げられていたダンボールに激突し、男は崩れ落ちてきたダンボールに埋まっていく。敵の叫び声が聞こえなくなったのを不安に感じたジェスは、急いで中央のフロアに急ぐ。
そこには、同じように正面から入って来たマナとフランクがいた。
「ジェスさん? 奴等は?」
「そっちは見ていないのかね?」